マルセイユタロット占断書の使い方

スリーカードスプレッド

はじめに

当ブログの占断書(タロットリーディングガイド)は、象徴や数意からカードを読解できるようになることを目標にしています。

タロットカードの大アルカナは絵札で、描かれている象徴は誰でも直観的に解釈可能なものです。カードに描かれている象徴の元となるイメージが、分析心理学で提唱されている概念の、元型(アーキタイプ)と呼ばれるものだからです。元型は、人類が生得的に共有している普遍的無意識(集合的無意識とも呼ばれる)の中にあるので、描かれた象徴を理解できていれば、誰でもカードからのメッセージを正しく受け取ることができるようになります。

小アルカナは数札で、4つのエレメント(万物、世界を構成する4つの元素)を表す「スート」と10段階の数の原理と法則を表す「数意」から作られていて、スートの種類と数のランクを読み解きます。ただし、各スートの「エース」だけは象徴主義が表れていて、スートとランク及び、象徴も読み解きます。

※ウェイト=スミス版の小アルカナは、スートや数意を知らなくてもカードを見るだけで直観的に解釈できるように、寓意画が描かれた絵札となっています。

カード解説ページの使い方

Step1「象徴を理解する」

「象徴」の項目を読みながら、カードの絵を確認して、カードに描いてある象徴を覚えます。

カードの絵を見て描かれている象徴がわかるようになれば、Step1は終了です。

Step2「象徴の意味を理解する」

描かれている象徴を覚えたら、「象徴解説」の項目を読んで象徴の意味を知り、カードの読み方を学びます。

占う内容に対するカードからの啓示が、カードに描かれている象徴の中に現れます。いずれか1つの象徴の場合もあれば、複数、あるいは描かれている全ての象徴に現れることもあるので、啓示が現れている象徴を見極めないと読解できません。「象徴解説」を読んで、「占う内容が、こういう状況、条件でこのカードが出たら、この象徴から、こういう意味になるな」と、想定される解釈をイメージトレーニングします。

Step3「正と負の読解」

「正」と「負」の項目を読んで、カードから読み取れるメッセージの感覚を掴みます。丸暗記する必要はありません。

箇条書きしてあるカードの意味は、占いで占断に迷ったときに判断の手がかりとして参照するために書かれているにすぎません。また、象徴が分からなくてカードが読めない人の解釈のきっかけとなるように書かれています。カードの意味を十分に理解していないで行う占いは、ミスリード(カードの意味を読み違え、相談者を誤った方向へ導いてしまう)しやすく当てにならないばかりか、まったく逆の意味に解釈する場合もあり危険なので、おおよその意味を具体的に明示することで、解釈の方向性を理解してもらうためです。

「正」と「負」の項目に箇条書きされているカードの意味は、どのような問題にも対応できるように、恋愛や仕事など特定の状況に限らず、全ての出来事を対象に象徴を解釈した意味が書かれていますので、リーディングの方向性を確認するために利用してください。

「正」の項目は、そのままカードから読み取れる内容で、通常は運命的に良い方向性を示しています。「負」の項目は、逆位置の場合やスプレッドの中で総合的に判断した結果、運命的に良くない方向性だと判断できたときの解釈となっています。注意するべきなのは、逆位置だから「負」の意味で、正位置だから「正」の意味となるわけではないということです。スプレッドの中で、そのカードの周りのカードの状況を見て総合的に判断するものです。逆位置でも「正」の意味が若干弱まる程度の場合もあれば、最悪な状況の場合もあります。また、正位置でも「正」の意味が弱い場合や、若干「負」の意味寄りの解釈となることもあります。

カードの逆位置は、本質的には「正」の意味を持っています。正位置における状態が障害、問題によって変性している状態だと覚えておいてください。スプレッドを読み解くうちに、障害、問題となっているものを見極めて軽減、解消することができれば、カードを正位置と同じ意味へと変性させることができます。逆位置は、必ず「負」の意味になるわけではなく、「負」の意味が弱まっていたり、良い運命へ向かうための気付きを示しています。

カードに描かれている象徴を覚えたら「象徴解説」だけを参考にして、「正」「負」の箇条書きの説明は見ないようにする方が鑑定結果の精度や具体性が上がります。もしも判断に迷ったら、そのときに手がかりとして使うようにしてください。

Step4「考察について」

Step3まで理解できれば、実占でタロットカードを読むことができるようになっています。
「考察」の項目は、解釈の参考になるようなヒントになっているので、リーディングに迷ったときに、解釈のきっかけや参考にしてください。

Step5「元型」

「元型」の項目は、カードの最も根源的な意味になります。

人類が生得的に持っている普遍的な意識構造の中にあるイメージを、寓話や神話として語ったり寓意画や宗教画として描いたりしてきたものが、タロットカードの源泉です。古典的、伝統的なカードは、年代や地域、作者によって描かれている象徴には違いがありますが、元となった元型のイメージは同じです。

タロットリーディングは参考のテキストを覚えて占うのではなくて、カードを見た時のインスピレーションで占う方が良いと言われていますが、タロットリーディングは文字通り「カードを読む」ことが占いの本質であり、昔の占いは実際にそういうものでした。

古典的なカードには、カードと共に伝えられてきたテキストなどの解説は無く、カードのイメージだけが伝えられてきましたが、それで十分だったのは、人々が心の中に元型のイメージを強く持っていて、イメージを見れば、そのカードが何を表しているのか、元型的な意味を無意識に理解できたからだと考えられます。しかし、現代人は心の中の元型のイメージがほぼ失われてしまっていて、イメージを見ただけではカードが何を意味しているのかわからなくなっているので、テキストによる参考書を見てカードの象徴を理解しなくては占いができなくなっているのです。

元型のイメージは、本来であれば人類が生得的に持っているものなので、後天的に理解することが困難なものだったのですが、フランスの精神科医であり心理学者のユングが発表した元型論によって、後天的な学習でタロットカードを元型的に理解することが可能になりました。

タロットカードを象徴の意味説明で解釈せずに、「元型」のイメージを用いて解釈するには、カードの絵として表出した「元型」のイメージから得られるインスピレーションを用いてリーディングするのですが、そのために、「元型」の項目を読んで具体的な元型のイメージを学習しておきます。「元型」以外の項目は、そこに書いてある説明を直接参考にするのではなく、インスピレーションを与えてくれる発火材料として使います。この元型解釈に慣れてしまえば、箇条書きされたカードの意味を参考にする必要はなくなります。

また、「元型」は相談者の潜在意識を探る手掛かりとなるので、タロットカウンセリング(心理タロット)や、タロットコンサルテーションにおけるカード読解の指標として、通常のカード象徴の意味と併せて解釈することで、相談者に、より良いアドバイスができるようになります。

「元型」の項目をより深く理解して実践していきたいと思う場合は、ユング心理学の「元型論」について学んでください。

まとめ

実際に占う段階で、このリーディングガイドを参考にするときは、「象徴」と「象徴解説」及び「元型」の項目だけを参考にリーディングするようにしてください。そうすれば、占いを続けているうちに、カードを見ただけでリーディングできるようになります。

リーディングの方向性が確認できたら「正」「負」の箇条書きの意味を見る必要はありません。箇条書きされたカードの意味を見て占っていると、いつまでもたっても参考書を見ないと占いができないので、カードに描かれたイメージを見るだけで、そこに描かれている象徴の意味を理解して、自分でリーディングの方向性を見極め、具体的な解釈ができるようになってください。

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