マルセイユ版タロットについて

マルセイユタロットの概要
マルセイユタロットは、15世紀後半から16世紀の初めに現れ、17世紀頃からヨーロッパで大量生産され始めた伝統的なタロットカードです。様々なバージョンがありますが、現在、広く知られているのは、「グリモー版」と「カモワン版」です。
18世紀にニコラ・コンヴェルが作ったタロットカードに、ポール・マルトーが多少の修正を施し、フランスのカードメーカーであるグリモー社から1930年に復刻されたのが「グリモー版」と呼ばれるマルセイユタロットです。当時は印刷技術が低かったので、手描きや版画で作られたカードに比べ色数が減ったとも言われていますが、はっきりとした色調で、青と赤を基調とした色彩は、今日まで続いています。
ニコラ・コンヴェルの版木を継承したカモワン家の子孫、フィリップ・カモワンが、タロット研究家である映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキーの協力を得て、1997年にフランスのカモワン社から発売されたタロットが「カモワン版」と呼ばれるマルセイユタロットで、「カモワン・メソッド」という独特の占い方法があります。
マルセイユタロットの特徴
マルセイユタロットの特徴は、大アルカナ22枚とコートカード(人物札)16枚が寓意画を用いた寓意画で作られ、リーディングも象徴を読み解きますが、小アルカナは数札で、4つのエレメントと数意から作られていているので、スート(エレメントの種類)とランク(与えられた数の意味)を読み解きます。ただし、各スートの「エース」には象徴主義が表れていて、スートとランク及び、象徴も読み解きます。
マルセイユタロットでは、基本的に逆位置を読みません。しかし、逆位置の寓意画は、明らかに正常に見せるための向きではなく、何故この向きで置かれたのか、その理由を考察するべきです。
スプレッドの中で、周りのカードの示す状況から、そのカードが良い意味として読めるのか、悪い意味としてよめるのかを判断して、「正」の意味、「負」の意味を読み解きます。「負」の意味だった場合、カードの本質(「正」の意味)が弱くなりますが、「負」の意味が強く現れた場合は「正」の逆の意味となることもあります。
寓意画を用いずにスートとランクを読み解く小アルカナでは、正位置、逆位置の関係は無く、スプレッド中の周りのカードからの影響を読み解き、「正」の意味となるか、「負」の意味となるか、見極めます。